DualSenseの修理依頼。
注文したのはスティックと治具。
まずスティック。
ポテンショメータとユニット底面の色からALPS製だと思われる。
DualSenseに使えるスティックは色違いで色々見つかる。
ポテンショメータの抵抗値違いがあるんだが、何を選んだら良いんだろう・・・。
少なくとも安さ重視で行くのは得策ではないように思える。
ALPSを謳っているものにするか。
パチモンかもしれないけど。
オマケでキャリブレーション用のフィルム基板付き
スティックのドリフト対策として、スイッチ交換ではなく
裏面に調整する可変抵抗(?)付きフィルム基板をハンダ付けして、微調整するという
まさに上記写真の製品がある。
でもそれは根本解決にはならない。
値を補正して騙しているだけだからね。
そうするとやっぱりスティック交換になる。
おそらくDualSenseイジりの中で最高難易度だろう。
スティックは14カ所 x2ハンダ付けされている。
内訳は
- スティッククリックスイッチ:4
- ポテンショメータ:3 x2
- 固定用:4
1個のユニットなので1個ずつ溶かして抜いて ということはできない。
ユニットは再利用しないので、足を全部切って破壊して1本ずつ抜く ぐらいしか思いつかない。
ところが、治具があるのを発見。
一緒に購入した。
こんなので1.7K円もするのだ。
一見ピンセットと吸い取り線があるだけのように思えるけど、コイツの真価はここにある。
このプレートを使うことで14カ所を同時に熱することができる。
そのためにパワーのあるはんだごてを購入したのだ。
※別記事に書くけど、問題があって結局今まで使っていたハンダゴテに頑張ってもらった。
説明書に書いてある手順は
- (プレートに接する)邪魔になる物は外しておく
- 基板に追いハンダ
- フラックスを塗る
- プレートの裏面全体を錫メッキし、プレート裏面の14個の穴をハンダで埋める
(穴は16個空いているけど、2つはピンセットの摘まみ用) - 裏返してピンセットで位置を合わせる
- プレートにハンダゴテを当てて熱する
- スティックユニットの隙間にマイナスドライバーを突っ込んで少しずつ浮かせる
- 外れたらハンダ吸い取り線で綺麗にする
- ハンダを熱しながら付属の棒で穴を綺麗にする
- 新しいスティックを付ける
メンドクセーな。
プレートの範囲内に部品があったら、まず詰むと思う。
DualSenseは幸いにしてバイブモーター用の配線があるだけなので、外せばOK。
どちらにしろハンダ付けの邪魔になるので、別の場所にあっても外したけど。
既存のハンダ部分は白くなっているので、見た目からして面倒そうな感じ。
予想通り追いハンダが乗らないので、先にフラックスを塗るのが良いと思う。
追いハンダのせいでハンダの量が増えているので、明らかに多いように見える場所は
吸い取り器で減らしておく。
で、再度フラックスを塗る。
ちょっと待て。錫メッキってなんだよ。
ハンダはだいたい60%ぐらいが錫だった気がするけど全面に広げろってことか?
そもそもプレートにハンダが乗らないぞw
ハンダ完全拒否。
フラックスを塗っても綺麗に全体をコーティングするなんてできない。
というか穴すら埋まらないw
あーだこーだやって なんとか穴は埋まった。
全体のコーティングは無理。
無視することにした。
ピンセットで摘まんで僅かに出ている足の位置に合わせる。
・・・んだけど、追いハンダした上に、プレートの穴を埋めてお互いが凸になっているんで
合わせられない。
徐々にこの手順が本当に合っているのか疑問になってきた。
プレートにこて先を当てて全体を温めるんだけど、
プレートにどんどん熱を奪われていくので、ここでハンダゴテのパワーが必要になる。
熱いのを我慢して当て続けていたら、ちょっと煙が出て にゅるん っと溶けて定位置に収まった。
・・・が、それっきりで、熱しているのにスティックユニットが外れる気配無し。
動く気配も無し。
基板の表面はパターンがあるのでマイナスドライバーを無理にグイグイやると死ぬ可能性大。
基板自体がかなり熱持ってきて、他の部品が心配になったので一時中断。
そしてプレートと基板が固着して全く動かなくなった。
やべー、やっちまったか?
カッとして基板の表面の足を全部カットしてやった。
これは修理ではなく破壊である。
足は残っているので、もちろん根本解決していない。
依頼者に土下座コースか。
やっぱりこの手順(というか書いてあること)が怪しい。
- 邪魔になるものどける →当然必要だ
- 追いハンダ →先にフラックスを塗ればOK
- フラックスを塗る →OK
- プレート全体云々が怪しい。
熱を伝えるためだろうけど裏面全体はやり過ぎじゃないだろうか。
そのせいか取れなくなったしw
穴をハンダで埋めるのは基板側のハンダと結合させるためなのでOKだろう。 - ピンセットで位置合わせOK。
溶けて落ち着くまで支持していないといけないけど。 - プレートに上手く熱が伝わらない。
先が細いコテ先なので寝かせて面で当たるようにしてたんだけど。
これずっとやってたらコテ先がダメになりそうだ・・・。 - 全く動かない。
- これ以降未到達
わからん!
ひとまず頑張れ明日の俺。寝る。
落ち着いて考えてみると、プレート熱するのにコテ先当てるだけじゃダメだろ。
表面にハンダ投入。盛りまくる。
ゆっくり熱い部分が広がっていくのがわかる。
そしてプツプツ言い始めて切断した足のいくつかが落ちた。
プレートも動いたので撤去。
あとは付属の棒状のもので穴の掃除。
あー、これ破壊したから面倒になってるわ・・・。
あとプレート撤去する前に穴の掃除をすべきだ。熱が伝わらん。
穴の掃除に四苦八苦。
ハンダゴテを利き手に持って、利き手じゃない方で 一瞬で穴に付属の棒を入れるなんて無理。
やっと片方外し終わった。
第2戦。
手順を最適化。
- フラックス塗る
- 追いハンダ
- フラックス塗る
- プレートの裏面にフラックスを塗って、ハンダを薄く伸ばして穴埋めだけする
- ピンセットで位置合わせ
- プレート中央にハンダを盛ってそのままコテ先を当て続ける
- スティックユニットの隙間にマイナスドライバーを突っ込んで徐々に浮かせる
- スティックユニットが外れたら熱したまま穴掃除
- プレートをどける
- ハンダ吸い取り線で綺麗にする
- 新しいスティックをハンダ付けする
- フラックスを綺麗にする(パーツクリーナー攻撃)
6. が劇的に効いて、力を入れなくてもスティックユニットがにゅるんと動いた。
そして簡単に外れた。
俺の悪戦苦闘の数時間はなんだったんだろうか。
30分掛からなかったんですけど。
まぁ、コツは掴んだ。
次は自分のを直す事になりそうだから忘れないようにメモ。
別のDualSenseの修理を依頼されるかもしれないけどw
さて、結果がどうなったかと言うと
値は俺のコントローラー両方ともと同じなので、新品状態になったと言えるでしょう。
Avg Errorはほとんど新品の俺のBDM-030でも発生するので、こういうものだと納得しておくことに。